インプラント治療
このような方はインプラントを
インプラントは多くの要望に応えることが出来るものですが、以下のような要望や悩みをもたれてる方には特にインプラントはオススメです。
入れ歯にはなりたくない!という方
抜けた歯を補う治療法は部分入れ歯・ブリッジ・インプラント治療があります。
ブリッジでは両隣に支えとなる歯がなかったり、失ってしまった歯の本数が多いという理由で、支えられない場合があります。
例:一番奥の歯の欠損を
部分入れ歯にした場合
このような場合は、部分入れ歯かインプラントのどちらかになってしまいます。ここで部分入れ歯の施術を行うと・・・
入れ歯のバネをかけられてしまった歯には過度な負担がかかり、最終的には抜けてしまいます。
そして、入れ歯はどんどん範囲を拡大し、総入れ歯の道を歩み始めてしまうのです。
職業柄、発声や審美が気になる方
職業上、歯を失うことで大きな損失がある方もいらしゃるかと思います。
人前で話す機会の多い方(特に講演をされる方、経営幹部の方)や声を使った職業では、入れ歯やブリッジでも支障をきたす可能性がありますし、審美を気にする職業の場合でも、まったく支障が無いとは言えません。
そういった職業の方にはインプラントが最適だと言えるでしょう。
ブリッジで両隣の健康な歯を
削りたくない方
ブリッジ治療
ブリッジの土台にするために虫歯がなくても両隣の健康な歯を削らなければいけません。
神経を抜かなくてはいけない場合もあります。神経を抜いた歯は枯れ木と同じような状態になってしまい、長く使っているうちに歯の根が割れてしまうことがあります。
歯を失ってしまうリスクは格段に高くなるのです。
インプラント治療
左の画像のようなボルトを直接埋め込むので、隣の歯を傷つけることなく失ってしまった歯と同じ機能を回復することができるのです。
リスクを伴うケース
全身疾患の持病がある方
糖尿病
血糖値がコントロールされ、安定している方はインプラント可能です。コントロールされているとは空腹時血糖値が100~140mg/dlでヘモグロビンA1cが7%以下の状態であることをいいます。
高血圧症
成人では最高血圧が160mm以上、最低血圧が95mm以上のどちらか、あるいは両方の場合は止血異常が見られますので、高血圧の治療を優先します。但し降圧剤を服用している場合はこの副作用で歯肉炎になりやすいので要注意です。
狭心症
最低1~2ヶ月間発作がないか、あっても軽度であればインプラント治療は可能ですが、発作頻度が増加している場合は避けた方が良いと思われます。
心筋梗塞
発作後6ヶ月以上経過し、他に問題がなければ可能ですが、主治医にしっかりとご相談ください。また、十分な全身管理が必要となります。
骨粗しょう症
骨密度を測定して適応症を選択します。※ビスフォスフォネート製剤を服用中の方は、内科医と相談する必要がありますので、必ず申告してください。
心臓疾患、不整脈
麻酔薬を使用することが出来ない場合はインプラント手術をすることはできません。
コントロールできない出血傾向
※その他、免疫疾患のある方や手術に耐えられない方など。
咬み合わせに問題のある方
咬み合わせがズレていたり、歯ぎしりや喰いしばりが強い方は、インプラントがダメになってしまう危険性がとても高いのです。
なぜなら、インプラントには歯根膜というクッションがありませんので、歯ぎしりや喰いしばりの力がもろに歯槽骨に伝わってしまい、インプラントと歯槽骨との結合を外してしまうリスクが高いからです。
実際、インプラントが失敗するケースのかなり割合が歯ぎしりと喰いしばりの強い方なのです。
インプラント治療の前にかみ合わせの改善を行ったり、歯ぎしりのある方は就寝時にナイトガードの装着が必要になります。
インプラントを埋入する部分の骨の量や質に問題のある方
骨粗しょう症の方は骨の密度が低いために、インプラントと骨との結合が上手く行かないリスクがありますので、大丈夫かどうかの事前の検査が必要です。
また、インプラントを入れる周辺の骨の量が少ないとインプラントが失敗してしまうリスクが高いため、骨を再生させる治療が必要になります。
歯周病のある方
歯周病は、歯を支えている歯槽骨が破壊されていく病気です。インプラントはその歯槽骨に入れることになりますので、重度の歯周病の状態でインプラントを入れることはインプラントが失敗するリスクをかなり高めることになります。
歯周病の治療を行い、歯周病が改善されればインプラントが可能になります。また、インプラントをするまでに患者様のブラッシングの状態が良くなっていないとインプラントをした後にインプラント周囲炎になってしまい、インプラントが失敗するリスクが高くなるので患者様のブラッシングも改善することはとても重要です。
妊娠中の方
妊娠中の方や妊娠のご予定のある方は、レントゲン撮影や麻酔をすることができませんので、インプラント治療ができません。しかし、出産後はインプラント治療を受けることは可能です。
オールオンフォー
オールオンフォーとは
「オールオンフォー」は、ポルトガルのDr.パウロマロによって開発された、無歯顎または無歯顎になりそうな歯周病のひどい患者様のための、インプラント手術法です。
これまで総入れ歯の方がインプラントを入れるとなると8~12本も埋め込む手術が一般的でした。
しかし、最近の研究で、特殊な技術を用いて埋め込めば、日常生活に必要な12本(片顎)の人工の歯を支えるために必要なインプラントは、4~6本にできることがわかったのです。
必要最少本数(4本)で、上または下の歯をすべて支える――これが ALL ON 4 (オールオンフォー)の考え方です。
オールオンフォーによる
インプラント治療のメリット
- 手術後約3ヶ月から6ヶ月間、総入れ歯で我慢しなければならなかったが、
手術後すぐに固定式の歯が入るので、総入れ歯によるストレスがなくなる。 - 通常400、500万円かかっていた費用が、300万円前後となる。
- 治療当日より食事が可能
- 腫れ・痛みが軽減
- 歯みがきや手入れが楽
- 骨をつくる作業が不要
※状態がひどい患者様には総インプラントよりもオールオンフォー治療を強くお勧め致します。
オールオンフォーの治療の流れ
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ガイドの取り付け
歯肉を切開したら、まず顎骨の中央に垂直に穴をあけ、チタン製のオールオンフォーガイドを取り付けます。
このガイドは、インプラントの正しい位置とドリリングの際の角度を分かりやすくすると同時に、舌を保護する役割も持っています。 -
ドリリング
最大45度で、奥歯にドリリングするところです。
傾斜角をつけると同時に、オトガイ孔と下歯槽神経をさけて埋入していきます。 - 土台の取り付け インプラントを埋入したら、オールオンフォーガイドで角度を確認しながら、角度付マルチユニットアバットメント(インプラントの土台)をつけます。
- 縫合 歯肉を縫合したあと、印象をとります。
- 上部構造の調節 歯肉を縫合したあと、印象をとります。
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取り付け・咬合調整・完了
最後に、患者様の口腔内に仮の上部構造を取り付け、咬合調整を行って、終了です。
半年程度、仮歯で機能させ、その後、最終的なかぶせ物を作成し装着します。
オールオンフォー治療の症例
Dr.池田の治療計画
上の歯がほとんどなくなってしまい、左の一番奥に1本だけ残っています。いわゆる総入れ歯を使っておられますが、固いものは咬めずに大変苦労されており、出来るならば固定式の歯を入れてほしいというご要望でした。
長崎県からJRで2時間半ほどかけて来院されるため、他のインプラントに比べ、治療回数が少なく診療費の負担も少ないオールオン4で治療することを提案しました。
下の歯の歯周病の治療や下の歯のインプラント治療などもあり、結局10回ほどの来院となりましたが、インプラントの埋め込み直後から固定式の歯で普通に食事がとれたため、患者さんの生活上の不満はほとんどありませんでした。
また、このシステムの利点である痛み腫れがほとんどないということについても大変喜んでいただきました。
症例紹介
治療前
治療前のお口の状態とレントゲンです。
手術シミュレーションソフトを使用してインプラントの埋め込み場所を決定します。インプラントの埋め込み場所が決まっていますので、あらかじめ固定式の仮歯を作っておきます。
治療中
手術用のサージカルガイドを使用して、計画された場所にインプラントを植え込んでいきます。
右は上顎に4本のインプラントが埋め込まれた後のレントゲンです。
手術の直後から3~4か月ほど使用していただく固定式の仮歯が入ったところです。
インプラントと顎の骨が完全に結合してから、セラミックの歯を作ります。
4本のインプラントで12本の歯を固定します。
治療後
セラミックの歯がお口に入ったところです。
右はオールオン4が入った後のレントゲンです。左下にもインプラントをしています。
年齢・性別 | 63歳男性 |
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主訴 | 入れ歯が合わずに食事が楽しくないので、インプラントを検討したい。 |
お口の状態 | 上顎には、奥の方に歯が1本残っていましたが、ほぼ総義歯の状態。 |
治療内容 | ガイドサージェリーにてインプラント埋入と同時に固定式の仮歯を装着後にジルコニアセラミックの最終義歯を製作開始し、審美的な歯列を完成させた。 |
治療費 | オールオン4:約3,000,000円(税込)~ ※骨増成が必要な場合は別途費用が必要です。 |
治療期間 | 4か月 |
治療のリスク | • 一過性及び永久性の唇・舌・頬・歯肉・歯牙等の感覚麻痺 • 近接歯牙の損傷・上顎洞・鼻腔への穿孔 • 炎症・疼痛・過敏症・組織治癒遅延、及び術部顔面部の内出血 • インプラント周囲炎になる可能性があるため、 丁寧なブラッシングと定期メンテナンスが重要 |