オールオン4(All on 4)
オールオンフォー
オールオンフォーとは
「オールオンフォー」は、ポルトガルのDr.パウロマロによって開発された、無歯顎または無歯顎になりそうな歯周病のひどい患者様のための、インプラント手術法です。
これまで総入れ歯の方がインプラントを入れるとなると8~12本も埋め込む手術が一般的でした。
しかし、最近の研究で、特殊な技術を用いて埋め込めば、日常生活に必要な12本(片顎)の人工の歯を支えるために必要なインプラントは、4~6本にできることがわかったのです。
必要最少本数(4本)で、上または下の歯をすべて支える――これが ALL ON 4 (オールオンフォー)の考え方です。
オールオンフォーによる
インプラント治療のメリット
- 手術後約3ヶ月から6ヶ月間、総入れ歯で我慢しなければならなかったが、
手術後すぐに固定式の歯が入るので、総入れ歯によるストレスがなくなる。 - 通常400、500万円かかっていた費用が、300万円前後となる。
- 治療当日より食事が可能
- 腫れ・痛みが軽減
- 歯みがきや手入れが楽
- 骨をつくる作業が不要
※状態がひどい患者様には総インプラントよりもオールオンフォー治療を強くお勧め致します。
オールオンフォーの治療の流れ
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ガイドの取り付け
歯肉を切開したら、まず顎骨の中央に垂直に穴をあけ、チタン製のオールオンフォーガイドを取り付けます。
このガイドは、インプラントの正しい位置とドリリングの際の角度を分かりやすくすると同時に、舌を保護する役割も持っています。
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ドリリング
最大45度で、奥歯にドリリングするところです。
傾斜角をつけると同時に、オトガイ孔と下歯槽神経をさけて埋入していきます。
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土台の取り付け
インプラントを埋入したら、オールオンフォーガイドで角度を確認しながら、角度付マルチユニットアバットメント(インプラントの土台)をつけます。
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縫合
歯肉を縫合したあと、印象をとります。
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上部構造の調節
歯肉を縫合したあと、印象をとります。
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取り付け・咬合調整・完了
最後に、患者様の口腔内に仮の上部構造を取り付け、咬合調整を行って、終了です。
半年程度、仮歯で機能させ、その後、最終的なかぶせ物を作成し装着します。
オールオンフォー治療の症例
Dr.池田の治療計画
上の歯がほとんどなくなってしまい、左の一番奥に1本だけ残っています。いわゆる総入れ歯を使っておられますが、固いものは咬めずに大変苦労されており、出来るならば固定式の歯を入れてほしいというご要望でした。
長崎県からJRで2時間半ほどかけて来院されるため、他のインプラントに比べ、治療回数が少なく診療費の負担も少ないオールオン4で治療することを提案しました。
下の歯の歯周病の治療や下の歯のインプラント治療などもあり、結局10回ほどの来院となりましたが、インプラントの埋め込み直後から固定式の歯で普通に食事がとれたため、患者さんの生活上の不満はほとんどありませんでした。
また、このシステムの利点である痛み腫れがほとんどないということについても大変喜んでいただきました。
症例紹介
治療前
治療前のお口の状態とレントゲンです。
手術シミュレーションソフトを使用してインプラントの埋め込み場所を決定します。インプラントの埋め込み場所が決まっていますので、あらかじめ固定式の仮歯を作っておきます。
治療中
手術用のサージカルガイドを使用して、計画された場所にインプラントを植え込んでいきます。
右は上顎に4本のインプラントが埋め込まれた後のレントゲンです。
手術の直後から3~4か月ほど使用していただく固定式の仮歯が入ったところです。
インプラントと顎の骨が完全に結合してから、セラミックの歯を作ります。
4本のインプラントで12本の歯を固定します。
治療後
セラミックの歯がお口に入ったところです。
右はオールオン4が入った後のレントゲンです。左下にもインプラントをしています。
年齢・性別 | 63歳男性 |
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主訴 | 入れ歯が合わずに食事が楽しくないので、インプラントを検討したい。 |
お口の状態 | 上顎には、奥の方に歯が1本残っていましたが、ほぼ総義歯の状態。 |
治療内容 | ガイドサージェリーにてインプラント埋入と同時に固定式の仮歯を装着後にジルコニアセラミックの最終義歯を製作開始し、審美的な歯列を完成させた。 |
治療費 | オールオン4:約3,000,000円(税込)~ ※骨増成が必要な場合は別途費用が必要です。 |
治療期間 | 4か月 |
治療のリスク | • 一過性及び永久性の唇・舌・頬・歯肉・歯牙等の感覚麻痺 • 近接歯牙の損傷・上顎洞・鼻腔への穿孔 • 炎症・疼痛・過敏症・組織治癒遅延、及び術部顔面部の内出血 • インプラント周囲炎になる可能性があるため、 丁寧なブラッシングと定期メンテナンスが重要 |